家庭用炭酸泉生成装置「B-da(ビーダ)」開発秘話

家庭用炭酸泉生成装置「B-da(ビーダ)」開発秘話
ヘルスケア事業部 商品企画室 ディレクター 清水 泰貴 ☓ 技術開発部 前川 和信

「人間の素晴らしい可能性を最大限に生かし、新しい価値を創造することで社会に貢献する」を追求し、デザインとテクノロジーを駆使した製品をご提供したいというモノづくりへのこだわりが実現したものの1つが、家庭用炭酸泉生成装置「B-da(ビーダ)」です。

2012年度のグッドデザイン賞、2013年度の超モノづくり部品大賞【生活関連部品賞】をいただいた「B-da」は、どのようにして生まれたのか。また初めての一般消費者向け製品開発の苦労、デザインとテクノロジーとの連携はどうだったのか、開発担当の2名に語ってもらいました。

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「世の中に必要な、喜ばれる商品をつくりたい」という想いからスタート

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ヘルスケア事業部 商品企画室 ディレクター
清水 泰貴

清水フジデノロは長年培ってきた樹脂素材や精密加工の技術力で、お客さまからも信頼を得ていましたが、世の中に必要とされるもの、喜ばれる独自の製品をつくりたいという想いも強く持っていました。そして、今後成長が見込まれるヒューマンヘルス分野でのモノづくりに挑戦しようと考え、いろいろな調査・研究を始めました。

前川そう、そこで目を付けたのが「炭酸泉」。欧州では、療養泉として広く認知されているものです。そして、業務用の炭酸泉&マイクロバブル生成装置『Mibule(ミーバル)』を独自開発しました。その時に炭酸ガス(二酸化炭素)を溶解する技術は研究開発していたのですが、「B-da」は家庭用製品となるのでコンパクト化・低コスト化など、商品企画からの要望も今までとは違い、さまざまな技術検討や試行錯誤をしましたね。

清水短い開発期間の中で、数少ないメンバーで、全く未踏の領域に切り込もうというのですから、苦労の連続でした(笑)

前川そうですね。企画と開発のメンバーで日夜議論を重ね、時には白熱しすぎて本当のけんかになりそうなときもありました。

清水今振り返ると、お客さまに喜んでいただける商品をつくりたいという共通の想いがなければ乗り越えられなかったかも知れませんね。

初めての家庭用製品。手探りの中でも確かな手応えを感じた

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技術開発部
前川 和信

前川初めて家庭用市場への製品投入ということで、開発部内でもさまざまな議論やテストが実施されました。無電源、安全で簡単な設置・操作性、高濃度での炭酸泉生成性能が、開発目標であり、さらに低コストで作らないといけません。電気を使わないで溶解反応を得るための配管経路・機構設計を何度も検討し、レバー1つとっても徹底的に操作性を追求しました。

清水企画の段階では、ターゲットの絞り込み、使用シーンや使い方をあらゆる角度からアプローチして、具体的な製品イメージを創り上げていきました。何度も社内外でのヒアリングやアンケートをくり返して、徐々に製品イメージを高めていったのを覚えています。その後、お客さまが利用するシーンを想定しながら、あらゆる技術検討・シミュレーションを重ねました。

前川そういった製品イメージを具現化して、商品として世の中におくりだし、お客さまに喜んでいただく。提案された製品企画が困難なものと予想されても、それを実現してこそ、モノづくりとしての価値を持ちます。例えば家庭における水道の水圧は一定ではありません。しかし、40°のお湯で炭酸濃度1,000ppmをどんな条件でも目指さないと、商品として高いレベルや価値に到達できなくなってしまいます。

清水そうですね。製品という最終的なアウトプットが、お客さまの要望を満たしてこそ「価値のある商品」といえます。製品開発に失敗すれば、どんな優れた企画であってもモノづくりとしては失敗となってしまいます。製品開発は要望を実現してこそ意味を持つのです。コンセプトを明確にした『B-da』開発では、お客さまの要望に応えるために、コア技術開発とヒューマンセンタードの視点での機能と使い勝手が両立するように深夜まで議論しましたね。

前川大変だけど、今思えばそういった中で、炭酸ガスボンベとタブレットの2つの炭酸源を可能にした「デノロ・スパークリーング・ツインコア」という世界初の技術も生まれたのだと思います。

清水時間との闘いの中、設計とデザインを何度もくり返して、課題を1つひとつ解決していきましたね。苦しい中でも、創造的で楽しい時の流れを感じました。しかし、その結果、電源や設置工事も不要で、お客さま自身が簡単に設置できる高濃度の家庭用炭酸泉生成装置が誕生したのです。

社内外からの高い評価は、全社の応援があったからこそ

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清水開発がスタートしてから、1年半後の2012年に家庭用炭酸泉生成装置『B-da』が完成、販売となりました。商品企画室だけではなく、技術開発部を含め全社の協力があったからこそ、これだけの短期間での製品開発ができたのでしょう。

前川製品が完成した喜びだけではなく、その後「グッドデザイン賞」や「超モノづくり部品大賞生活関連部品賞」という外部評価もいただきました。まさに開発冥利(みょうり)につきます。

清水私も自宅で商品化された『B-da』を使った際に、あの努力が報われたと感激しました。また、外部からの高い評価を受けて、さらにうれしさが高まりました。そして、開発には直接関係がなかった社内の方々からお祝いされ、感極まりましたね。

デザインとテクノロジーを駆使して、“健康軸”での展開をしたい

前川フジデノロは、まだ成長中の会社です。だから開発も柔軟な体制で、担当者が考えながら臨機応変にプロジェクトを進行させることができます。責任も大きいですが自由度も高い、でも経営理念にある「新しい価値を創造することで社会に貢献」したいという想いは共通して持っている。これが製品開発を支えているのでしょう。

清水大きな会社のように役割が明確にされ、細分化されていないので、意志の通った製品開発ができるのでしょうね。フラットな関係で議論し、製品をつくりあげていくことがフジデノロの開発イズムだと思います。

商品企画も1つの製品を開発しただけで終わりではありません。世の中に必要なもの、喜ばれるものを常に考えて、次々と商品を生みだしていきたいですね。『B-da』も現在は、健康意識の高い方、炭酸泉の効果をご存じの方へのニーズに応える商品となっていますが、ドイツをはじめとするヨーロッパでは医療行為として炭酸泉が広く活用されています。今後、日本でも医療分野での炭酸泉ニーズは高くなってくると予想されます。そこで私たちが炭酸泉療法をリードするなど“健康軸”での商品開発をしていきたいですね。

前川技術開発部もそれらの企画を実現するために、あらゆる挑戦をしていきたいと考えています。初めてのコンシューマ向けの『B-da』開発で、実際に商品を使うお客さまの生の声も聞くことができました。こういったお客さまに喜んでいただける商品を、次々と生み出せる開発風土・組織を大切にし、育て上げていきたいと思います。

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Breakthrough~新しい価値を創造するモノづくり

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