新事業への“挑戦”を語る

新事業への“挑戦”を語る

1970年に創業して以来、戦後初めての国産旅客機であるYS-11のアクリル製加工など産業用プラスチックの精密加工で、業績を伸ばしてきたフジデノロ。しかし、当時から取引をするお客さまのニーズに合わせて、さまざまな技術開発などに挑戦をしてきました。

さらに「社会に貢献するモノづくり」をしたいという願いから、がん治療である粒子線治療に用いられる補償フィルター(ボーラス)、試験分析器、炭酸泉生成装置などヘルスケア分野にも乗りだしました。一方、樹脂加工分野でもお客さまからのさまざまな要望に対して、提案型のソリューションを提供しています。例えば、アミューズメント業界の要望に応えて樹脂面板の加飾技術を独自開発したりするなど、業界から注目されています。

このヘルスケア・アミューズメント両分野で新規ビジネスを開拓してきた、アミューズメント事業部の木全 直樹(きまた なおき)に、フジデノロにおける新事業への挑戦について語ってもらいました。

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木全 直樹(Naoki Kimata)
アミューズメント事業部
部長代理

アミューズメント業界でスタンダードとなる開発で、オピニオンリーダーに

長年プラスチック加工のリーディングカンパニーとして、実績を積み上げてきたフジデノロが、成長戦略として独自の製品開発や事業の多角化へと舵をきったのが2002年の中期経営計画からです。当時、営業部で新規ビジネス企画を担当していたのですが、フジデノロの持っている加工技術やプラスチック要素を活かしたビジネスは何かと、日々頭を悩ましていました。中部地域は、自動車、工作機、航空機などと共にパチンコといったアミューズメント分野のメーカーも多く、この分野でもわれわれの技術・ノウハウが活かせるのではないかと考えていました。

折しもアミューズメント業界は、機器の斬新性を求め、面板の透明化を考えている時でもあり、またエコブームの時流にも乗って、ベニヤ板を使用しない考えが出始めた時でもありました。当時の面板はベニヤ板が主流でしたが、あるメーカーから面板の透明樹脂化の相談をいただいたのです。

当社は、精密加工という多品種・小ロットの製品を扱うことが多かったのですが、面板となると1機種で何万台から何十万台とロットがとても大きくなります。お客さまであるメーカーの要望に何としても応えたいと思いつつも、新たな設備投資や人員確保も必要となり、そう簡単にはいかないなと覚悟はしていました。

樹脂面板は、ダイレクト印刷の場合印刷ミスの際に損失コストが高く、重く作業性が悪いといった課題を抱えていました。そこで、フィルムへの印刷をし、フィルムを面板に貼り付けた後に切削加工する形を提案しました。この方法では、損失コストも少なく、貼り合わせ仕損じの場合は、樹脂板は再利用可能です。しかし、フィルムの接着成分により刃物の切れ味が落ち、加工性が悪くなるため、量産できないという問題も生じました。

そこで当社では、加工性を保つフィルム接着剤を開発し、樹脂面板用の印刷フィルム貼り付けによる独自の加飾方法を確立しました。この方法は、現在では多くのメーカーに採用していただいています。さらに、現在では加工だけではなく、フィルムの貼り付け工程も社内クリーンルームで行っています。

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フジデノロだからこそできる、斬新なアイデアの製品化

このアミューズメント業界での新しい加飾方法は、今では業界標準化し、多くのメーカーからの信頼を得ることとなりました。これに満足することなく、常に挑戦を続けるのがフジデノロのイズム(流儀)ですので、お客さまからのさまざまなご相談に応えるように努めています。相談されるのは信頼と期待の表れですので、その期待以上の新たな提案をしていかなければなりません。フジデノロは多岐にわたる産業との取引があることから、業界の固定概念に縛られることなく、斬新なアイデア・提案ができます。こうしたオピニオンリーダーとしても、業界を先導できるようになっていきたいと思います。

また新たな事業を展開する上で、大手とは違い、小回りが利いてスピーディーな対応が取れることもフジデノロの特徴ですね。決裁も早いし、規模の割に間接部門も充実しています。従って新しいテーマに対しても、柔軟に対応が可能となります。

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医療という未知の分野へも、熱い想いを持って参入

このフジデノロらしさが結実した事業としては、ヘルスケア分野も挙げられます。社会に貢献するモノづくりメーカーになりたいという経営方針のもと、がんの粒子線治療のボーラスを扱うようになった際も、単に加工を請けおうだけではなく、その材質についてもより適した素材開発まで提案していきましたね。しかし、当時は全く医療業界のことは分からず、医療関係者の方と話をしても専門用語ばかりで、まるで異国に来たような感がありました。でも、命をあずかる仕事をされている方は、非常に真剣で、こちらも何としてもその要求には応えたいという気持ちが高まりました。

現在、当社のボーラスは医療機関からのデータ供給から最短3日目には、治療が開始可能となる体制で対応しています。さらに病院敷地内での当社スタッフの常駐による迅速な対応など、医療機関とのより強固な連携体制も図っています。このような当社の姿勢は医療機関から高いご評価をいただき、ボーラス以外の開発テーマもいくつかご依頼いただけるようになりました。

例えば、MRIやCTなど画像診断または放射線治療の際に、患者さまの全身の適切な位置決めと固定ができるような装置ができないかというご相談を受け、すぐにそのご要望に添った製品開発を進めていきました。こうした医療機関との密接なコミュニケーションといただいたテーマへのレスポンスの良さが、当社への信頼をさらに高め、ヘルスケア事業拡大への大きな推進力になっていると思います。

医療分野は今後ますますの発展が見込まれ、当社もヘルスケア事業には注力しています。ボーラスにしても、放射線治療の進んだアメリカでさえ当社ほどの精度を持つものはなく、今後は医療先進国であるアメリカへの逆輸出も考えられます。

また、磁性体検知器や炭酸泉生成装置などオリジナル製品も産みだされ、医療分野への足場も固まってきました。欧米だけではなく、南米・アジアなどの新興国も含めてフジデノロが見据えるマーケットもグローバル化してきています。

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グローバルメーカーへの「挑戦」はまだまだ続きます

アミューズメント分野、ヘルスケア分野へと事業を多角化してきましたが、その根底にあるものは「新しい価値を創造することで社会に貢献する」という理念といえます。新規事業は、社内の資産を活用したシーズから立ち上げることもあれば、お客さまのニーズに応えるものもあると思います。われわれはその両面から新規ビジネスをとらえています。

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おそらくフジデノロの10年後は、自社製品が売り上げの半分を占め、医療・健康分野の製品開発がもっと進み、樹脂加工会社ではなく、ヘルスケアメーカーと呼ばれるようになっているかも知れません。そして、ヘルスケアはグローバルな市場での展開が不可欠となってきます。

ヘルスケア分野、他産業への進出、グローバル化など、われわれにとっては未知の領域に、常に挑戦し続けなければなりません。そこで必要になってくるのは、型にはまらない豊かな発想力です。新たな事業に乗りだす際には、われわれは新参者です。でも、新参者だからこそ既成概念にこだわらずに、新しい発想で業界をリードできるはずです。自由な発想と同時に、それをカタチにし、製品としてアウトプットすることも重要です。若い人にも、失敗を恐れずどんどんチャレンジしてほしいですね。挑戦という行動を起こせば、「未知」のビジネスも、将来の「道」となってくるはずです。

※アミューズメント事業に関する詳細は、こちらをご覧ください。

※ヘルスケア事業に関する詳細は、こちらをご覧ください。


Breakthrough~新しい価値を創造するモノづくり

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